gezellig

日記など。

テントを背負って山を旅する道具についての考察

山を旅し始めたのは5年ほど前。登山歴5年というとそれほど経験があるわけでもないけれど、繰り返し山に行く中で道具に対するこだわりも出てきたので、日々感じていることをまとめようと思う。 「登山」という言葉はかなり曖昧な言葉だ。一口に登山と行っても…

On a Sunday

日曜日だった。 同居人が友人と旅行に出かけていて、一人で目覚めた。一人で過ごすには少し広い部屋。寒々しい冬の朝。前日、山道を長い距離歩いたり走ったりしたせいで身体が少し痛む。目を覚ますためシャワーを浴びて、着替えて家を出る。電車を乗り継いで…

街の話

寒かったり暖かかったり、不思議な天気が続いている。ある日は気持ちの良い小春日和、またある日は冷たい雨の降る冬の一日。今日は気だるい気分の土曜日、部屋の外では小雨が昨日の夜から止むことなく降り続いている。 気づいてみれば今の家にも住み始めて2…

変化と鈍感さについて

ぬるりと生暖かく湿った風が10月になっても吹いていて、夕方の薄暗がりの部屋では季節外れの扇風機が今もせっせと羽根を回している。 働く場所を変え、外国で少し長く時間を過ごし、日本に戻って、左手の薬指のリングの異物感にそわそわして、駅前の建設中の…

神の子らの復権〜「ヴェルヴェット・レボリューション」から続くアヤックスの物語〜

レアル・マドリードのホームスタジアム、サンチャゴ・ベルナベウには異様な雰囲気が流れていた。チャンピオンズリーグを3連覇中の白い巨人は前半すでにアヤックスに2点のリードを許しており、迎えた62分、際どい判定で右サイドのライン内にボールを残したノ…

トレイルにて

穏やかな日々だ。暖かく、清潔で、明るく、適度に広い、東京の真ん中にほど近い場所にあるマンションの10階にある部屋からは、日が昇って街が橙色に輝いたり、日が沈んで紫色に染まっていく様子がよく見える。それほど混雑が深刻ではない地下鉄の路線を使え…

長い旅

気がついたらまた暖かくなって、またひとつ冬が終わって、僕はどうやら花粉症になったようだ。鼻にむずがゆさを覚えながらも、一歩一歩を確かめながら、夕暮れの東京の街を走る。休みをとって、眠りすぎた結果、鈍った身体の中に血が巡る感覚が心地よい。ま…

大雪の夜に

年が明けて少しだけ経って、目まぐるしく色鮮やかに日々が過ぎていった去年の年末がもうすでに恋しくなっている。住む場所を変えて、仕事はこれまでにないほど忙しくて、好き仲間と酒を飲んで、親には申し訳ないと思うけれど東京でいつの間にか大晦日を迎え…

昼のビールと夕暮れ時

昔住んでいた部屋の最寄り駅には大きなスーパーがあって、そこには多種多様な酒が売ってあった。社会人になりたてで様々な刺激にいささか疲れていた僕は、金曜の夜の予定もそれほどに埋めることなく帰宅し、外を走ったりしてから眠り、土曜の朝起きるとスー…

冬の終わり

シャルケ戦で先発した17歳のマタイス・デ・リフトとジャスティン・クライファートの2人は、アヤックスが20年前にチャンピオンズ・リーグで最後に四強に進んだ当時、生まれてすらいなかった。カメルーン国籍のGKアンドレ・オナナ、コートジボワールのベルトラ…

冷えた街

夜遅くに起こった厄介ごとのせいで、日が昇る前に起きて震えながら裸になってシャワーを浴びる。冬なんてたいして汗もかかないんだし、肌も乾燥するから、朝のシャワーを浴びる必要はあまりないのだけれど、なんとなく習慣で、毎日シャワーを浴びている。熱…

someone, somewhere cares

すっかり寒くなり引き締まった空気は心地よく、週の中日の祝日にたいした予定もなく寝て家事をして結局仕事をしたりして過ごした。会社の近くのジムで汗を流して家路につく。休日の赤坂は好きだ。オフィスが立ち並ぶここ一帯はおいしいご飯とお酒を出すお店…

日記20160528

ひとを肯定すること、まちがいや失敗も許すこと、そんなことを無理せずにさらりとできる大人になりたいなと、大人になりもう随分と経った今になってよく思う。大切に思う人に対してやさしくあることだったり、自分とまったく違った考え方や価値観を許容する…

reccuring nightmare

心が弱ったときに見る・するあれこれみたいな情報が今日もネットには溢れかえっている。心なんて随分と前から弱りっぱなしで、そんな人間に対する救済なんていうものはなかなか簡単に見つかるものではない。筋トレやランニングはダメだ。単純な反復作業を繰…

Spring 2016

いつのまにかコートがいらない季節になり、街には桜が舞っている。1年前とは違う街で迎える春。何もかもが新しくて、そして何もかもが古くさくて、むず痒い気持ちになる。それが春という季節だ。東京は去年も、満開の桜を雨が濡らしていた。今年も、小雨に身…

フットボールと選民意識

オランダ、アムステルダム。2月のある晴れた日曜日。今シーズンの初めにユース時代から長い時間を過ごしたクラブに帰郷していたヨニー・ハイティンハは引退を決め、慣れ親しんだアムステルダム・アレナのピッチでファンから温かい拍手を送られていた。引退セ…

do it all again

金曜の夜にしこたま飲んで、それでも我を失うみたいなことはなくて、心地よく酔いながら自分よりもだいぶ酔っ払った後輩の話を聞いたフリをしていた。飲んでも何もかも覚えている夜と、断片的な映像とぼんやりとした匂いのようなものだけが残っている夜があ…

死を望むということについて

まともに生きる、とはいったいどういうことであろうかと思いをめぐらせ、そういうことを考えているときはたいてい自分がまともに生きていると感じることができていないか、この先まともに生きていける気がしていないか、あるいはそのような生き方に対して嫌…

if winter comes

季節は巡り驚くほど早く冬が来る。生温い空気がいつまで経っても過ぎ去らなかった秋が終わり、ようやく引き締まった緊張感のある空気が戻ってきた。こうしていつの間にか一年が終わるのだろう、そんなことを考えているうちに今年もあと3週間になった。 最近…

世田谷区の話

ハロウィンの渋谷は馬鹿げた服装の若者で溢れかえっていて、山手線のホームではJRの職員が改札から出るまで10分かかることもあるといううんざりとした事実をうんざりとした顔で伝えている。僕は逆方向の電車に乗り込み、死んだ顔で先ほどの数時間の間で撮っ…

死ぬ季節

吸い込む夕暮れの空気は、少し小高い場所にいたからかもしれないけれど、ふわっと軽くて濃密な真夏の空気が消え去っていることに少し驚いた。まだ8月だ。しかし、8月の後半である。生まれ育った街では、盆を過ぎるとクラゲが出るからと海に入るのを止められ…

夢と夏

寝不足の日々がようやく終わり、六本木のカラオケで朝まで遊んでからタクシーで家に帰った。おなかが減っていたけどしっかりとしたご飯を食べる気力はなく、アイスを急いでかじってベッドに横になる。クーラーも付いている。何もかも忘れた深い眠りについて…

知らない場所

何も考えないこと、というのはとても難しいことだ。しかし、なにかを忘れてしまうことも多くなってしまった。夜寝る瞬間と朝起きた瞬間は、とりわけ、いろいろなことを考えてしまう。夜はベッドの上でねむいなーと思いながらも一日のことを思い出し、あいか…

日記20150707

月曜から火曜にかけての寝起きが一番すっきりしている気がする。たいていの場合、日曜の夜は明日会社行きたくない明日会社行きたくない明日会社行きたくないと唱えながら夜更かししていることが多いし、月曜は朝早くから社内で会議が入っていることが多くて…

日記20150704

今日は休日だけど会社に行って少しだけ仕事をした。昨日は夕方から全社でのイベントがあって早めに仕事を切り上げた人が多かったので今日はその分会社まで来てる人が多いかなと思っていたけど全然そんなことなくて僕ともう一人くらいしかいなかった。特段仲…

good night

最近は忙しい日が続いていて、帰宅する頃には日付が変わってしまっているということも多くなっている。 日付が変わる瞬間はいつもどこかにドラマがあるような気がしてくる。23時50分のラーメン屋、目の前のやたらと味の濃い深夜にはそぐわない食べ物の入った…

「誰も近づくことのできないほど奥深い森の中で倒れる木は、音を立てるのだろうか」 不思議なことに、というのもはばかられるくらいよくある話だけれど、知らない人ばかりの都会で人の波に飲み込まれていると、人は孤独を感じるものだ。これだけの人々に囲ま…

北へ

春が去って梅雨に入る、このとてもとても短い初夏の夜に、肌を撫でた風はひんやりとして心地よく、あまりの心地よさに理由もなくふっと涙が出そうになった。地球は実はずっと回り続けていて、こうやってたえず風を運んでいるんだ。ビルだらけの東京ではそん…

細胞が死ぬということ

何もない休日になると、日記を書きたくなることが多い。ひとりになれる時間はやはり必要で、ひとりになった僕が何をするかというと、頭のなかをぐるぐると渦巻くとりとめのない思いを言語化して、自分が今どこに立っているのかをちょっとでもはっきりさせる…

春と雨と

あたたかい雨が東京の街をしっとりと濡らし、満開に近づいた桜の花は淡いピンク色で街を彩っていた。分厚い雲に覆われた灰色の空には、儚い桃色は少し頼りなく感じられたけれど、春がやってきたのだということを強く感じた。 It's been a roller coaster rid…