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日記など。

大雪の夜に

年が明けて少しだけ経って、目まぐるしく色鮮やかに日々が過ぎていった去年の年末がもうすでに恋しくなっている。住む場所を変えて、仕事はこれまでにないほど忙しくて、好き仲間と酒を飲んで、親には申し訳ないと思うけれど東京でいつの間にか大晦日を迎えて、気づいたら終わっていた一年。心地よい疲れの中で、随分と遠くまで来たもんだなとぼんやりと思いながら過ごした日々は、濃密だけど爽やかで、あんな日々にずっと身を置けたら、とても楽しいだろうな、なんて思いながら今になって振り返っている。

 

新年も迎えても東京の日当たりのよい部屋で、新しい街に少しずつ慣れながら、のんびりとした日々を送っている。掃除をして、洗濯をして、料理をして。お金を払ってものを書って部屋に置く。お金を払って食料を買ってそれを食べる。お金を払っていろんな所に行っていろんなものを見る。生活をすれば水道光熱費がかかるし、家賃は毎月払わないといけないし税金から逃れることはできない。そんなあたりまえのことを、あたりまえに感じながら生活していた。少し前には早起きして山に行った。ガシガシと歩いて山に登り、寒い頂上で火をおこし暖かな食事をとって、汗がひいてブルッとしながら眼下に広がる秩父の街並みを眺めて、せっせと山を下って温泉に入った。今日は東京にも60年ぶりの大雪が降って、予約した小洒落たイタリアンの店をキャンセルするかどうか迷った末に、これ以上ないくらい暖かい格好をしてはしゃぎながら雪の中を歩いて、おいしいパスタとワインに舌鼓を打った。

 

ぼくはこの街でちゃんと生きている。生活は続いていく。不安なことや、悲しいこともあるかもしれないけれど、それでも一歩ずつ、進んでいく。進んでるのかどうかもよくわからないけれど、でもきっと今ぼくはちゃんと幸せだ。